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2026年8月10日 旧長濱検疫所一号停留所開館ならびにスターバックス コーヒー 横浜海の公園店開店

2026年8月10日 旧長濱検疫所一号停留所開館ならびにスターバックス コーヒー 横浜海の公園店開店

 令和8(2026)年8月10日、海の公園に移築された「登録有形文化財旧長濱検疫所一号停留所」が開館し、「スターバックス コーヒー 横浜海の公園店」が開店しました。

 朝8:00のオープン前から外に長い待ち行列ができていたと聞きました。夕方になっても長いサンルームに待ち行列が途絶えることはなく、反響の大きさを感じました。

 以下、当日夕方17:30~19:00の様子をベースに、写真で示しながら紹介します。

 当初の横浜市の発表から、建物正面に向かって左側半分はスターバックスのエリア、右側半分は展示スペースと理解していました。ところが、お客さんの動静を見ていたら、何のことはない、サンルーム(廊下)も含めて全てのスペースで自由にコーヒーを楽しむ姿が見られ、一号停留所の建物全体がスターバックスのお店そのものなのだと気付かされました。

 それでも、展示室(旧談話室)では掲示されている展示パネルが自ずと目に入ってくるので、それに見入る方々の姿も見られましたし、目に留まったパネルをスマートフォンで撮影する姿も見られました。
 コーヒーを目当てに来訪したとしても、一号停留所の来歴やそれにまつわるエピソードに自然に触れることになります。博物館としての機能が前面に出ているわけではないながら、自然に歴史的建造物の雰囲気に肌感覚で接することができますし、それらを総合的に楽しみながら、自ずと学びが深まる場にもなっているのではないかと思える風景でした。

 去る1月7日の横浜市記者発表資料には、施設の活用イメージとして「文化財としての価値を継続しながら、市民が気軽に歴史文化を感じることができるとともに、その雰囲気の中で飲食等を楽しむことができる施設として活用」と示されています。
 その観点からは、正にそれが実現したとも言える訳で、これは良いスタートが切れたように思われます。
 なお、同資料には、「展示室としての活用やワークショップでの活用など、今後の協議により具体化」ともあります。今後の更なる利活用が期待されます。

 それから、室内だけでなく屋外でも、歴史的建造物の姿に惹かれたのでしょう、建物の姿を撮影する姿がひっきりなしに見られました。室内だけでなく、建物全体を使っての利活用のあり方も検討していくのが良いように思われました。

外回り

 今回、海の公園に移築されるにあたり、関東大震災で被災し、翌年に復元された当時の姿をほぼ忠実に再現すべく、様々に研究され工夫された結果として、内外共にこの姿になったとのこと。展示室内のパネルでの解説を読むと、歴史的建造物としてどのように蘇ったのかを理解することができます。

 エントランスは、正面に向かって右側にあります。車椅子用のスロープも整備され、入口も自動扉になっています。
 前庭には遊歩道が整備されていて、建物の外観と目の前に広がる海の公園の景色を見ながら、散歩も楽しめます。
 建物の左側の出窓付きの張り出した部屋は、カフェ(旧食堂)として利用できます。スターバックス コーヒー 横浜海の公園店が出店していて、前庭に立つポールには照明付きロゴマークが取り付けられています。
 建物の正面中央は横に長いサンルーム(廊下)になっています。中央の出入口は、通常は閉じたままです。
 建物の左右には出窓付きの張り出した部屋があり、右側は「休憩室(旧談話室)」です。夕方になるとライトアップされることがわかりました。
 再び、建物右側の「休憩室(旧談話室)」とエントランスです。
 エントランス右側には登録有形文化財旧長濱検疫所一号停留所の簡単な説明を記したサインが、左側にはスターバックス コーヒー 横浜海の公園店のサインがあります。

エントランス前のサイン

 旧長濱検疫所一号停留所のサインです。上段に解説、中段に移築前の姿の写真、下段に登録有形文化財を示す銘板が配置されています。
旧長濱検疫所一号停留所についての解説(上段)
移築前の姿の写真(中段)
登録有形文化財を示す銘板(下段)

 中段の移築前の姿の写真右上に表示されている2次元バーコードです。これをスマートフォンで読み取ると、画面にサインと同じ旧長濱検疫所一号停留所の解説画面が表示され、右下のスピーカーアイコンをクリックすると、自動音声で解説文が読み上げられます。
 また、このサイトは多言語対応となっていて、スマートフォンのメイン言語に合わせて解説画面と自動音声が対応するようになっているので、外国人の方々にも理解しやすい配慮がなされています。

  • 通常日本語のスマートフォンでも、設定アプリから使用言語に外国語を追加してそれをメインにすると、その仕様を確認することができます。
  • ただし、現時点では、日本語の場合、解説画面でルビが表示されるのはよいとしても、自動音声ではイントネーションも含めて一部誤った読み方がされるようなので、改善が望まれます。

館内図

(画像出典:展示室のパネル「旧長濱検疫所一号停留所」)

 現在の室名に加えて、( )書きで建築当時の建物用途が記載されているので、歴史的建造物としての用途を思い感じながら鑑賞したりくつろいだりすることができます。

休憩室(旧談話室)

 内装については、関東大震災の翌年に復元された当時の姿をほぼ忠実に再現すべく、図面からの読み取りに加えて、上塗りされた塗料を磨いて元の色を特定するなど様々な研究がなされ、その成果に基づいて、天井、壁、床、窓、扉などの色調などが決定されています。
 また、使用できるものは、取っ手や金具なども含めてできるだけそのまま使い続け、交換を要するものもできるだけ当時の姿に似せたものを採用しているとのことです。
 照明器具や什器も当時の姿に合わせて新調されました。こちらも飲み物を持ち込み、窓越しの景観を楽しみながらくつろぐことができます。
 海辺に突き出した出窓が、部屋の奥行きを感じさせ、開放感を演出するとともに、特別なコーナーとして楽しめるようにもなっています。
 窓越しに、目の前には海の公園の全景が広がっています。海の公園は、白砂青松をイメージして設計されたとのことですが、美しい景観となっています。浜は遠浅になっていて、春には潮干狩りが、夏には海水浴、浜辺でのスポーツ、沖合でのウインドサーフィンなどが楽しめるようになっています。

 壁紙は大正時代のものをそのまま使用しているとのことです。その風合いから歴史を感じさせてくれます。

展示室(旧停留室)

 旧停留室は完全個室仕様でしたが、今回は壁の一部を取り壊して3室連続した展示室に改装されています。壁面には展示パネルがワイヤーで吊り下げられています。
 また、各室には長椅子や椅子・テーブルが配置されていて、ゆっくり座りながら、また飲み物やお菓子を楽しみながら展示パネルが見られるようになっています。

展示パネルのリスト

 展示パネルは全部で20あります。ここですべてを紹介することはできないので、タイトルのみを示します。
 ぜひ一号停留所にお出でになり、実物をご覧になってください。

No.タイトル項目摘要
1旧長濱検疫所一号停留所
2横浜検疫所の歴史
31822- 江戸から明治初期
41895- 長濱検疫所の設置
5一号停留所 建物内部風景 明治時代の様子
61923- 関東大震災後
7建物復元の概要
81947- 昭和~現在
9建物解体と復元の経緯解体時の部材への番付、解体時の様子
10建物解体と復元の経緯昔の建物の色の特定
11建物解体と復元の経緯移築前の様子、移築後の様子
12長濱検疫所に訪れた著名人野口英世
13長濱検疫所に訪れた著名人与謝野寛・与謝野晶子、高浜虚子、その他の記帳者
14長濱検疫所に訪れた著名人渡邊千冬、後藤新平
15横浜発展の背景で築かれたこの地Ⅰ 横浜開港
16横浜発展の背景で築かれたこの地Ⅱ 金沢地先埋立事業解説
17横浜発展の背景で築かれたこの地Ⅱ 金沢地先埋立事業写真
18横浜発展の背景で築かれたこの地Ⅲ 海の公園
19横浜発展の背景で築かれたこの地Ⅳ 海の公園
20旧長濱検疫所一号停留所の新たな活用

サンルーム

 エントランス内側の様子です。自動ドアが取り付けられています。通常は開放されていますが、状況に応じて運用されるのでしょう。
 エントランスを入ったところから奥に続くサンルームの様子です。左側には休憩室(旧談話室)があり、手前と奥の2つのドアが開放されています。
 休憩室(旧談話室)を過ぎた所から見たサンルームの様子です。窓際には小さなテーブルと椅子が用意されていて、開放的な窓から海の公園の全景が望めるようになっています。
 手前右側は展示室(旧停留室)です。
 少し先に進んだ所から見た奥に続くサンルームの様子です。大きな窓は開放的で、外の様子がよくわかります。
 サンルームからは、窓越しに前庭とその向こうに海の公園の全景を望むことができます。
 前庭に立つポールには、スターバックス コーヒーの照明付きロゴマークが取り付けられています。
 中程から奥に続くサンルームの様子です。左手奥には海側に張り出したカフェ(旧食堂)が見えています。右奥がバーカウンター(旧停留室)です。

バーカウンター(旧停留室)

 手前の陳列棚には、スターバックス コーヒー ジャパンの各種商品が並べられています。
 奥が入口、手前が出口です。出口奥にバーカウンターの様子がうかがえます。
 入口から見た奥のバーカウンターの様子です。
 バーカウンター内部の様子です。
 奥の陳列棚の様子です。スターバックス コーヒー ジャパンの各種商品が並べられています。

カフェ(旧食堂)

 休憩室(旧談話室)同様に、内装がなされています。また、こちらには、かつては食堂であったことにちなみ、中央に大きなテーブルと複数の椅子が配置されていて、大勢での利用が可能になっています。
 窓にはカーテンが取り付けられていて、おしゃれな演出がなされています。
 こちらも休憩室(旧談話室)同様に海側にせり出した出窓があり、部屋の奥行き感を演出するとともに、特別なコーナーとなっています。
 窓越しに、海の公園の全景を望むことができます。
 2つの出入口の間には、レトロ調の鏡や飾り棚が設置されています。
 その上の壁紙は、休憩室(旧談話室)同様に大正時代のものがそのまま使われています。模様は休憩室(旧談話室)のそれとは異なります。

 更に部屋を飾るものとして、スターバックス コーヒー発祥の地であるシアトル港と横浜と関係の深い氷川丸が写った写真が壁に掛けられています。
 その他、航海を連想させる様々な意匠が凝らされていて、よく見ると興味深いものがあります。

 横浜海の公園店開店に際して、スターバックス コーヒー ジャパン株式会社として掲げたコンセプトの一つに、「スターバックス発祥の地であるシアトルのコーヒー文化と、横浜の港町としての歴史を重ね合わせながら、お客様にくつろぎの時間を提供します。(同社ホームページより)」というものがあります。そのことが感じられるスペースになっています。

 詳しくは以下を参照してください。

地域の歴史的建築を継承・活用する新店舗「スターバックス コーヒー 横浜海の公園店」海を望む登録有形文化財の洋館に8月10日(月)オープン

一号停留所案内図

  • 金沢シーサイドライン「海の公園南口駅」より徒歩4分
  • 「海の公園 磯浜駐車場(F駐車場)より徒歩3分」

検疫遺構案内図は、それぞれ、クリック(タップ)すると、別ウィンドウで開きます。